電気配線は自作キャンピングカー制作の中でも特に難しかったパートです。
電気初心者の僕が3ヶ月ほど勉強してできたので、諦めないでやれば誰でもできます。
僕も何も分からない状態から始めたので、誰でも分かる電気配線の方法をお伝えできると思います。
まずは電気の基礎から学んでいきましょう。
電気配線に必要な予備知識
V(ボルト)
電圧のこと。電気の強さを意味しています。
1番分かりやすいのは家庭にあるコンセントです。
日本のコンセントは100Vです。
日本製の家電も100Vで動くように作られています。(エアコンは別)
まれに「100V〜230V対応」と表記あったりしますが、その場合は世界中ほとんどで使用できることを意味しています。
ちなみにアメリカは120V、ヨーロッパは230Vあたりに設定されています。
車のボルトは基本的に12Vです。
バスやトラックなど大きな車両は24Vの電気を使用してエンジンを点火させています。
車用の電子機器も12V、24Vで統一されていますね。
許容V以上の電圧を流すと電子機器の破損または、発火の原因になります。
A(アンペア)
電流のこと。電気が流れる量を意味しています。
このA(アンペア)が配線の太さの決め手となります。
使用する家電のA(アンペア)を知ることは必須です。
「でも家電のアンペアって表記がないよね?」と思っているあなた!
大丈夫です!家電には消費するW(ワット)の表記があります。
そこからアンペアを割り出していきます。
割り出し方は下で説明します。
W(ワット)
消費電力のこと。 消費する電気エネルギーを意味しています。
日本で販売されている家電にも、ワット(W)が表記されています。
我が家の made in chinaドライヤーにもしっかりと表記があります。
Whと表記している場合もありますが、それは1時間あたりの消費する電気エネルギー(Wh)のことを指します。
電気の計算式
V × A = W
例えば
12V × 200A = 2400W
24V × 100A = 2400W
A(アンペア)が違っても容量(ワット)は同じ!!
VとAの関係で容量が確定することが分かりますね。
極端な話1000A(アンペア)と表記あっても、1V(ボルト)だと、容量はたったの1000Wしかないということです。
それではおさらいに、上の写真のドライヤーで計算していきましょう。
AC100V 1300W と表記がありますね。
式に当てはめると…
100V × ?A=1300W
になりますね。
アンペア(A)を知るには…
簡単な計算式ですね。
1300W ÷ 100V = 13A
これでアンペアが割り出せました。
その他の家電のワット(W)も載せておきます。
全て日本の家庭コンセント100Vで計算していきます。
プロジェクター | 120 Wh |
スピーカー | 27 Wh |
ミキサー 強で使用 | 400 Wh |
ドライヤー 強で使用 | 1300 Wh |
Mac book air 充電 | 15 Wh |
iPhone 充電 | 7 Wh |
カメラバッテリー 充電 | 33 Wh |
Ω(オーム)について
オームとは電気の抵抗を指します。
ケーブルに加わる抵抗のことです。
簡単にいうと
① 電線が細いほど抵抗値は大きい。
② 電線が長いほど抵抗値は大きい。
ケーブル長が1m以上となる場合は、ケーブル内部抵抗による損失があるので1ランク太いケーブルを選択します。
ケーブル長については、短ければ短いほど損失が少なく、効率的になります。
ACとDC
ACDCというと有名ロックバンドを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、今回はそれと違います。
AC
ACは交流のことを言い、主に家庭電気100Vのことを指します。
安定性、コスト面はDCより優位です。
消費電力はDCより悪いです。
交流の電化製品が一般的なので安く流通しています。
DC
DCは直流のことを言い、車の12Vや24Vは直流なのでDCです。
DCの電化製品は非常に高いです。
消費電力が低いので、限られた電気の中で生活する車に向いています。
以上で電気配線に必要な予備知識を終わります。
太陽光パネルを使って実際に電気を生み出す機材の紹介をしています。
下記の記事もぜひチェックしてみてください。
【おまけ】ACとDCの歴史について
日本で発明家エジソンは有名ですが、DCを発明したのがエジソンです。
ACを発明したのは、もともとエジソンの元で働いていた、後にエジソンのライバルになる発明家ニコラ・テスラです。
エジソンの時代は直流が家庭で使用されていました。
テスラが交流を発明して、遠くまで安定して電気を送れる仕組みを世の中に訴え続けました。
ACDCの戦いは「電流戦争」といい、数年間に渡って激しく衝突しました。
そして安全性、安定性、コストの安さなどを理由に、交流(AC)が徐々に広がっていったのです。
電気発明家=エジソンですが、普及率をみるとテスラが圧勝しているのも面白いです。
飛ぶ鳥を落とす勢いのイーロンマスク。
彼もこの発明家テスラを尊敬して、自社の社名としてテスラモーターと名付けました。