「Toyota コースター」を10ヶ月かけてキャンピングカーにした僕が、順を追って解説していきます!!
断熱材はいかに快適な車内にできるかの作業になります。
断熱材がしっかりしていると、夏は涼しく、冬はあったかい車内になります。
早速断熱材を!といきたいところですが、
断熱材を入れる前に、骨組みになる根太というものを入れていかなければなりません。
根太を取り付ける
家の施工では根太と呼ばれるのは床下基礎部分の木材になりますが、車の施工では天井、壁、床の全てを同じ方法で施工します。
床の根太
根太に使用した木材は30mm×40mmで、30mmを縦になるよう使いました。
床の根太幅は30cmまたは45cmが一般的です。
車はそもそも床があるので、強度的にもっと広くしても問題ないかもしれません。
僕たちは40㎝ほどで施工しました。
キッチンが上にくる予定なので、右側の幅を狭くしてあります。
こうすることでビスが打てる箇所が増え、次の施工もしやすくなりますし、強度を上げることができます。
天井の根太
僕たちは天井をカーブさせたかったので、根太もカーブに合わせてカットしました。
カットした木材に編成シリコンをつけ、更に鉄板ビスを打ち込んで固定しています。
鉄板ビスは木材の厚さプラス10mmほど突き出る長さで施工しました。
根太はあればあるほど壁や家具の固定ができる箇所が多くなり、全体の強度アップに繋がります。
Youtubeに実際の施工の様子をアップしています。
壁の根太
壁は車体に沿って1×4材を打ち付けました。
厚さ10mmなので、車内の幅をなるべく広く使うことができます。
固定方法は天井と同じです。
断熱材の選び方
【断熱材の写真】
一言に断熱材といっても種類が多すぎます。
特にこの分野は、どれくらい効果があるのか実際に分かりづらいという面もあります。
しかしながら、あるとないとでは確実に変わってきます。
僕たちは限りなく車内の状況に近い状態で実験をしているYoutubeを発見し、それに習って施工しました。
制振材MP→ネオマフォーム→シンサレート
上記の結果では3段階の断熱をすることが、夏・冬の実験で1番バランスが良い結果になっています。
制振材MP
制振材MPは断熱材ではないですが、断熱効果も少しあります。
断熱効果よりも静音効果が高いです。
制振材MPだけは根太を貼り付ける前に、車体全面に貼り付けました。
(マイクロバスの床は合板なので、MPは貼れません。)
ツールズアイランド社の制振材をAmazonで8つ購入しました。
これでマイクロバス全面に貼ることができました。
ハサミでカットして
車体に貼って
ローラーでぐりぐり押し付ける!
この作業の連続です。
僕たちはこの作業を1週間ほどやりました。
正直嫌になりました。
編成シリコンを溝に流す(天井・サイド)
この作業は、より機密性を上げるために行います。
これをMPの側面に全箇所塗りました。
編成シリコンは合計15本ほど使いました。
ネオマフォーム
ネオマフォームはよくホームセンターに置いてあるスタイルフォームの上位互換として考えて問題ないでしょう。
スタイルフォームでネオマフォームと同じ断熱をしたい場合、2倍の厚さが必要になります。
車の断熱にそんなスペースを使ってしまったら、部屋がかなり狭くなってしまいます。
空気が1番の断熱材として考えられている中で、空気の性能を超える熱伝導率0.020W/(m・K)を実現しています。
ネオマフォームの凄いところは、断熱効果が高いのはもちろん、水分にもめちゃめちゃ強くほとんど吸収しません。 車内でよく問題になる結露もネオマフォームにかかれば怖くありません。
やはり現時点で最強と言えるのはネオマフォームなのです。
犬だって暖かいネオマフォームの上が大好き!
人だってネオマフォームの上が大好き!
ネオマフォームの切断はカッターが1番です。
最初丸鋸で切断したのですが、切断による粉塵がひどくて家の庭が粉だらけになってしまいました。
ネオマフォームは上下に崩れを防止するシートがついていて3層構造になっています。
鉛筆で切りたい箇所に墨入れし、墨になぞって1番上のシートを軽く切っていきます。
その後、もう一度切った箇所にカッターを深くいれると綺麗に切断できます。
アルミテープを貼る(床)
根太とネオマフォームを同じ高さで揃えました。
根太とネオマフォームのさかえめにアルミテープを貼っていきます。
これで余分な空気の流れをストップできます!
この作業は実際に家の施工でも行われる作業です。
シンサレート
シンサレートは冬用の衣類や布団によく使用される素材です。
細い繊維が組み合って、たっぷり空気を含むので、断熱性、保温性に優れています。
含む空気の量が、ポリエステル綿より多くなることが特徴です。
空気の断熱性は非常に高いので、より多く空気を含む素材はより暖かいことになります。
シンサレートをハサミでカットして、スプレーのりで貼り付けています。
僕たちの施工は以下の通りです。
床
30mmの根太の間に、30mmのネオマフォーム
天井
制振材MP → 30mmのネオマフォーム
壁
制振材MP → 20mmのネオマフォーム → シンサレート
まとめ:1年住んで思うこと
実際に1年ほど住んでみて思うのは、
そこまで断熱にこだわるのであれば、窓を塞ぐべきだ!です。
僕たちは生活の中で開放感が欲しく、窓を塞ぐことをやめました。
バスからの景色は本当に清々しくて最高です。
反対に冷気がものすごく入ってきます。
景色以上に、寒さと暑さ対策を優先する場合は窓を塞ぐことをオススメします!
窓を塞いで暖房やFFヒーターを入れる予定があるのであれば、上記ほどの断熱をしなくてもかなり快適に過ごせるのではないでしょうか。
僕たちは今のところ窓を塞ぐつもりはありません。
夏は山の上に行き、川に入れば熱くて死ぬような思いはしませんでした。
冬は確かに寒すぎて布団から出ること嫌になったりしましたが、なるべく厚着して、温泉に入って、薪ストーブをたいて乗り切りました。
少しの不便を感じることも地球を感じられる。
これも車で生活するならではの魅力だなと改めて実感しています。
(めちゃめちゃ断熱材入れてますが!たまにクーラー欲しくなりますが!!)